「白川道プロジェクト(通称)」による遺跡探査(2019.12.14)

京大文化遺産活用部門のメンバーが本年度より進めている通称「白川道プロジェクト」(科学研究費補助金基盤研究(C)19K01094「都市近郊歴史像の再構築-京都・白川道の研究を基盤として」代表・千葉豊)の一環として、吉田キャンパスの本部構内において遺跡レーダ探査をおこないました。

GPSによる国土座標計測
【写真1 GPSによる国土座標計測】
旧土木総合館南側の探査
【写真2 旧土木総合館南側の探査】
文学部東館中庭の探査
【写真3 文学部東館中庭の探査】
本部構内東辺の南北道路上の探査(その1)
【写真4 本部構内東辺の南北道路上の探査(その1)】
本部構内東辺の南北道路上の探査(その2)
【写真5 本部構内東辺の南北道路上の探査(その2)】

まず事前に、探査予定箇所付近に、(公財)京都市埋蔵文化財研究所のご協力でGPSを用いた測量により国土座標基準点を設置しました(写真1)。

その後、国内外で多くの遺跡探査を実施されている天理大学文学部歴史文化学科考古学・民俗学専攻の教員・学生諸氏のチームと機材の力をお借りして、本部構内東半の4箇所で調査区を設定し、レーダ機器を幾筋も往復させました。

このうち、旧土木総合館南側と文学部東館中庭の2箇所は(写真2・3)、幕末に白川道を寸断して設置された尾張藩邸の東堀の延長想定地にあたる場所で、ここで成果が得られれば、藩邸の規模を正確に把握することにつながります。

また、残り2箇所は本部構内東辺の南北道路上に設定し(写真4・5)、この付近ではっきりしていない中世~近世各段階の白川道を探りました。今後、得られたデータを解析して遺構の存否を検討するとともに、試掘調査など、さらに研究を進めていきたいと考えています。

探査の実際にご尽力いただいた天理大学関係者の皆様と、お手伝いいただいた本学考古学研究室の学生のみなさんに、この場を借りて厚く御礼申し上げます。

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