京大文化遺産調査活用部門について

概 要

2019(平成31)年4月1日付で新たに設置された、京都大学大学院文学研究科附属 文化遺産学・人文知連携センターの1部門である。京都大学文化財総合研究センターを前身とする。京都大学大学構内遺跡の発掘調査・研究および出土資料等の管理をおこなっており、研究成果を京大独自の文化遺産として多角的に活用・発信することを目指している。

沿 革

京都大学構内には、吉田キャンパス北部構内の縄文時代の北白川追分町遺跡など、全国的にみても古くから著名な遺跡がある。このほか吉田キャンパスのほぼ全域や、和歌山県白浜町の瀬戸臨海実験所構内をはじめとする各地の附属施設内にも、先史時代から近世にいたる時代の、長い歴史を刻んだ埋蔵文化財が多数存在している。
こうした文化財のすべてを破壊から守ることは不可能に近く、その方策の一つとして十分な調査・研究を実施することが先決となる。これら学内に残る埋蔵文化財の調査を、建物や施設の建設の際に文化財保護法の主旨に則って実施し、調査の報告とそれを基礎にした研究を目的として、1977(昭和52)年7月に学内措置として、埋蔵文化財研究センターが設置された。
2008(平成20)年4月1日付をもって埋蔵文化財研究センターは改組となり、新たに文化財総合研究センターが設置されたが、この文化財総合研究センターは2019(平成31)年3月31日付で廃止となり、2019(平成31)年4月1日付で発足した京都大学大学院文学研究科附属文化遺産学・人文知連携センター内の、京大文化遺産調査活用部門にその業務を引き継いだ。以後、大学構内の発掘調査および出土資料等の管理は京大文化遺産調査活用部門がおこなうこととなる。
当部門の事業の第一の目的は、学内の建物の建設計画にしたがって、建築予定地の発掘調査をできるだけ速やかに実施し、大学の教育・研究を円滑にすすめる条件を整えることにある。同時に、センター設置以後、延べ100,000㎡を越える発掘調査をおこなっており、大学の組織として文化財の調査を継続的におこなうことは、鴨東地域の先史時代以降の歴史を復元するための資料を蓄積するだけでなく、文化財に関する研究あるいは調査技術の開発をすすめていくにあたっての、臨床的な場としても生かされている。

ページトップへ戻る