縄文時代の遺物

縄文時代の磨製石斧
縄文時代の磨製石斧
【縄文時代の磨製石斧】

時代細分:縄文時代中期末~後期前葉

調査地点:吉田南構内 AR24区

解  説:
縄文時代の石器は、北部構内の北白川追分町遺跡を中心に多数の出土がある。ここに挙げた3点は、その800mほど南方の吉田南構内で、多数の縄文中期末~後期前葉の土器と出土したものの一部。
最前列の石斧は淡緑色の蛇紋岩製で、長さ12.8㎝、幅6.2㎝。消耗や破損の目立つ他の資料との違いが際だつ完存の優品。吉田山西麓一帯にも縄文人たちの濃密な活動があったことがうかがえよう。

(京都大学構内遺跡調査研究年報 2001年度)

縄文土器・深鉢(縁帯文)
縄文土器・深鉢(縁帯文)
【縄文土器・深鉢(縁帯文)】

時代細分:縄文時代後期

調査地点:病院構内 AH19区

解  説:
口縁部を縁帯状に肥厚させた、いわゆる縁帯文土器。胴下半以下を欠損するが、口径34㎝、推定器高36㎝前後になる深鉢。肥厚した口縁部は突起状波状口縁となり、波頂部には渦巻文を配し、それをつなぐように長方形区画文が描かれる。口縁部、口縁端部および胴部上半には、2段右撚りの縄文が施されている。北白川上層式1期の特徴をもつが、胴部を縄文のみですます手法は新しい可能性もある。

(京都大学埋蔵文化財調査報告 Ⅳ)

縄文土器・深鉢
縄文土器・深鉢
【縄文土器・深鉢】

時代細分:縄文時代後期

調査地点:病院構内 AG20区

解  説:
口径25㎝、器高16.2㎝をはかる小型の深鉢。口頸部が外反し、口縁端部を短く内側へ折り曲げる。口縁端部直下に刻目隆帯を横走させ、8字状浮文を貼り付ける。口頸部には沈線で三角文と逆三角文を描き、2段左撚りの縄文を充填している。北白川上層式2期の器種の一つであるが、器形・文様の特徴は、関東地方の堀之内2式の系統をひく。

(京都大学構内遺跡調査研究年報 1996年度)

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