京都大学総合博物館2020年度特別展
文化財発掘Ⅶ 木を遺(のこ)す、木を伝える-木製品の調査と保存-

京都大学総合博物館にて、「2020年度特別展 文化財発掘Ⅶ 木を遺(のこ)す、木を伝える-木製品の調査と保存-」を開催いたします(終了しました)。

木は、私たちの身近にある素材として、古くより器物や建築物などに盛んに利用されてきました。しかし、土器や石器などと異なり、埋没環境が整わなければ、年月の経過とともに土中で失われてしまいます。
今回の「文化財発掘」では、このような特質をもつ木製の文化財に焦点を当て、関連するさまざまな研究の営みにも目を向けます。

京都大学構内の遺跡では、北部構内(北白川追分町遺跡)の地中深くで見つかった縄文時代の低湿地と大木にまつわる研究、弥生時代や平安時代後期の木製品が出土した岡崎国際交流会館建設地点の発掘調査(2018年)の成果をとりあげます。木製の出土物は、そのままでは乾燥し朽ちてしまうため、薬剤や機器による保存処理が求められます。後世に伝え活かしていくために工夫が重ねられているそれらの手法について、処理の済んだ資料とともに紹介します。
また、総合博物館には、弥生時代の稲作農耕の姿をはじめて世に知らしめた奈良県唐古遺跡の発掘調査(1937年)出土品をはじめ、歴史的に貴重な木製の資料が数多く収められています。先人の努力により守られてきたこれらの資料も、あわせて展観します。

この展示から、木の文化財の広い世界と豊かな可能性とともに、埋蔵文化財や考古学の調査と研究がもつ、文理を越えた学際的な側面に触れていただけることを願っております。

※ 総合博物館再開のお知らせ
臨時休館中の総合博物館は、5月12日(水)より再開いたします。これに伴い、特別展の展示も再開となります。
なお、会期は6月27日(日)まで延長となりました。ご来館の際にはオンライン予約サイトよりご予約をお願いいたします。

※ 総合博物館臨時休館のお知らせ
新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、2021年4月25日(日)から5月11日(火)まで、総合博物館は臨時休館をいたします。展示再開後、ひと月程度の会期延長を予定しています。

会期:2021年3月17日(水)~ 2021年5月16日(日) 2021年6月27日(日)
会場:京都大学総合博物館(完全予約制)
   オンライン予約サイトはこちらから
開館:9:30 ~ 15:30(3部制 月・火曜日休館)
   第1部 9:30 ~ 11:30〈入館は11時まで〉
   第2部 11:30 ~ 13:30〈入館は13時まで〉
   第3部 13:30 ~ 15:30〈入館は15時まで〉

 展示チラシ  を閲覧できます。
文化財発掘Ⅶ展示チラシ

この展示に関連して、京都府立図書館で連携展示が開催されました(2021.03.26~04.21)。詳しくは こちら  をご覧下さい。
当部門から白河街区出土の土師器と瓦器、北白川追分町遺跡で縄文大木に伴出した突帯文土器を出展いたしました。

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