弥生時代の遺物

弥生前期の壺と甕
弥生前期の壺と甕
【弥生前期の壺と甕】

時代細分:弥生時代前期

調査地点:吉田南構内 AR24区

解  説:
左側の甕は、口径28㎝ 高さ24㎝。右側の甕は、口径25㎝ 高さ24㎝。中央の壺は、口縁部端を欠いており、壺としては小型の部類であろう。ともに、多条の篦描沈線文を施されており、壺には、繊細な貼付突帯文も併用されている。こうした装飾は、弥生前期でも終末段階の土器を特徴づけるもので、京都大学構内遺跡出土の弥生土器は、その段階の資料が最も多い。

(京都大学構内遺跡調査研究年報 2001年度)

弥生土器(広口壺)
弥生土器(広口壺)
【弥生土器(広口壺)】

時代細分:弥生時代中期

調査地点:北部構内 BE29区

解  説:
方形周溝墓に供献された広口の壺。器高34.5㎝、口径19.0㎝、胴部最大経25.2㎝をはかる。外面全面に斜位または縦位、内面頸部以上に横位の粗い刷毛目を有する。頸部と胴部に直線文を描き、文様帯と胴部の張り出し部分を研磨して仕上げている。器壁や底部が比較的厚く、文様帯を頸部と胴部に描きわけるなど、弥生中期でも古い段階の要素が強い。

(京都大学構内遺跡調査研究年報 昭和53年度)

弥生土器(直口壺)
弥生土器(直口壺)
【弥生土器(直口壺)】

時代細分:弥生時代中期

調査地点:吉田南構内 AN22区

解  説:
方形周溝墓に供献された直口壺。口径13㎝、胴部最大径34.2㎝、高さ45㎝をはかる大型品である。底部から口縁部まで残存するが、外面の剥落が著しい。櫛描文による直線文、波状文や断面三角形の突帯、棒状あるいは円形の浮文で飾り立てた、装飾性の豊かな壺である。底部に焼成後の穿孔をもつ。中期後半。

(京都大学構内遺跡調査研究年報 2000年度)

弥生時代の石鏃
弥生時代の石鏃
【弥生時代の石鏃】

時代細分:弥生時代中期

調査地点:北部構内 BF31区

解  説:
右端は粘板岩製の凸基有茎式磨製石鏃で、長さ4.6㎝、重量は4.3gをはかる。それ以外はいずれもサヌカイト製の打製石鏃で、右から2つめの凸基無茎式は5.5gをはかる。
出土した層位や、形態や法量の特徴から、これらはいずれも弥生時代中期に帰属するものとみられる。

(京都大学構内遺跡調査研究年報 2009年度)

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