京都大学病院西構内 聖護院川原町遺跡(2023年度)

2023年11月17日(金) 黒灰色土の掘り下げを終えました。
記録作業中・北西から
【写真1 記録作業中・北西から】
調査区全景・東から
【写真2 調査区全景・東から】

江戸時代終わり頃の遺物包含層である黒灰色土の掘り下げを終え、その下層である淡褐色土土層の上面を削って精査し、遺構の検出と掘り下げをおこないつつ、記録作業を進行させました(写真1:北西から)。

午後には全面でそれらは終了して、全景写真を撮影しました(写真2:東から)。 おおよそ病院敷地となる前の、幕末期頃の段階の面であろうと推測しています。
調査区の南辺や東辺付近にしっかりとした穴(ピット)が若干見つかりましたが、総じて遺構は希薄で、出土遺物も東方の既発掘地点に較べて少量となっています。 絵図などからは、幕末期に会津藩の繰練場の敷地として利用された空間に含まれると想定されますが、現状では関連する調査成果は得られていないと言えます。

今後は、やはり江戸時代のうちには形成されたと目される下部の淡褐色土の掘り下げを進める予定です。
ただし、調査区東北の一角は、すでにお伝えしているようにやや異質な状態の堆積がひろがっており、表面が硬化した状態なども観察されます。 これらは掘り下げずに残しているため、断面での検討も併用しながら慎重に調査していく予定です。

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