発掘速報
京都大学医学部構内 吉田橘町遺跡(2024年度)
2025年03月28日(金) 中世遺構の最終確認と掘り下げをしています


先回検出された中世遺構面の基盤となっている黄褐色の砂質土層のなかには、一部遺物の包含も確認出来、調査しきれていない遺構の存在が予想されることから、おおむねさらに下部の砂礫層まで掘り下げて、遺構の存否確認と、残された遺構埋土の掘り下げをおこなっています(写真1)。 大規模な遺構の存在はありませんが、柱穴や土坑はさらに数を増しています。
また、調査区の北西隅では、1m程度の範囲で、一部に最大で10㎝程度の厚さまで炭が堆積し、周囲が赤く被熱しているような遺構がみつかっています(写真2)。 鉄滓もともなっていることから、野鍛冶のような作業をしていたのかもしれません。
道沿いの今回の調査地は、中世のある時期には、このような作業空間をともなう雑舎が密に建ち並んでいたものと推測されます。