発掘速報
京都大学北部構内 北白川追分町遺跡(2025年度)
2025年12月15日(月) 中世砂取穴の調査
古代以前の遺物包含層とみている黒褐色土の掘り下げは、調査区の南辺にも及んできました。
以前にもお伝えしたように(12月1日)、この一帯は調査地の南側から尾根状の地形が及んでおり、とくに南東の一帯では表土下の浅いところで基盤を形成する白色の砂層があらわれ、調査を進める黒褐色土や黒色土のひろがる範囲とは鮮やかなコントラストをなしています(写真1)。
中世に白色砂を採取した痕跡となる砂取穴の遺構は、今回その境界領域付近に見つかってきています。
底まで掘りあげるとかなりの深さとなるため、まずは輪郭を確定させた後、周囲の掘り下げと並行しながら内部を下げています。
ちょうど断面が調査区の壁にかかっているため、掘削された砂取穴が埋まっていった様子もよく観察することができます。
ここでは、当時砂層に達するまでに取り除いたのであろう黒色の粘質土で厚く上半部を埋めており、その上面は、中世の遺構面と同じ高さあたりできっちりと水平となっていました(写真2)。
路面や耕作地として利用するために、意識的に埋め戻しているのでしょうか。 砂取穴の存在そのものは、中世の土地利用や経済活動を考えるうえで興味深い遺構ですが、埋まり方や埋め戻し方をつぶさに観察することからも、さまざまな情報を得ることができます。